昨日、歯列矯正のために歯を抜いてきた。
歯列矯正には手法がいろいろあるが、俺がやる歯列矯正はアンカースクリューと呼ばれるネジを歯茎に打ち込んで、そこを土台にして前に出ている歯をワイヤーで後ろに引っ張る手法だ。だが、いまそれをやっても歯を後ろに寄せるスペースが無いため、歯列矯正の事前準備として、上側の前から4番目の歯(第一小臼歯と呼ばれるらしい)を抜くことになった。
歯医者に赴いて席に案内されると、いつも通り「ブクブクうがいをお願いします」と言われて不味い液体を渡され、それを口に含みブクブクうがいをする。本題とは話がズレるが、「ブクブクうがい」って言葉は一般的な言葉なんだろうか。これを本当にうがいと呼んでいいのか？と毎回モヤモヤしていた。初めてこの歯医者でこれを言われた時には「ブクブクうがい？？？？？」となって何をすればいいのかわからなかった。「口をすすぐ」とかじゃないのか？と思ったが、調べると「口うがい」と呼ばれたりするので間違っていなさそう。うがいって言われたら喉でガラガラする方を想起してしまうから、ただの俺の勉強不足だった。
話を戻すと、この後、担当の先生から抜歯をするために誓約書にサインを求められ、適当に走り書きでサインをする。今年が令和6年であることをこの時初めて知った。令和元年っていつだっけな、、、元号には興味が無さ過ぎて明日にはもう忘れていそうである。サインし終わると麻酔が打たれた。これはちょっと針的なものが刺されるだけで、虫歯治療で何度もやっている作業である。
そして、いよいよ抜歯が始まった。
具体的に何をされるのかよくわからないまま、目隠しのためのタオルが目の上に置かれる。
「歯ってどうやって抜くんだろうなあ」と呑気に考えていると、左の歯を何かで挟むような感触があった。
俺の想像では、歯の根元に何かを差し込んで掘り起こすように抜くとかと思っていたが、実際は、謎の器具(目隠しで見えないのでこう呼ぶ)で歯を挟まれると思い切りグイグイ引っ張られた。ここで先生から「健康な歯は抜くのが大変なので、顔を動かさないようにしてください」と言われた。
「え？もしかして力技で引っこ抜くの？」と、ここで初めて恐怖を感じた。今まで虫歯治療でドリル的なものとかを使われても、口内で鳴る甲高い機械音にインダストリアルミュージックが感じられて、「俺にしか聴けない音楽だ」と割と楽しく治療してもらってたが、さすがに大人の力で顔がめちゃくちゃ揺さぶられるくらい思い切り引っ張られると、「これ麻酔しててもめちゃくちゃ痛い可能性があるのでは？」と気が気がでなくなってしまった。謎の器具で歯を挟んでめちゃくちゃグイグイ引っ張られ、それに抗って顔が動かないように耐えながら痛みが無いことを祈る時間が始まった。1〜2分ほど耐えていると歯の辺りにミシッという感触を感じた後に先生から「抜けました。次は反対側いきます。」と言われた。「え？もう抜けたの？痛み全く無かったな」と考えるや否や、次の歯も同様に謎の器具で歯を抜く作業が始まったが、また1〜2分ほど耐えると「抜けました」と言われ、こちらもまた特に痛みが無く、意外とあっけなく抜歯作業が終わった。
水で口をすすいで吐き出すと、吐血かよというくらい赤く染まった水が洗面台的なやつ(調べてみるとスピットンという名前らしい)に流れていった。「止血のために30分ガーゼを挟んでください」と言われ、歯を抜いた場所にガーゼを挟み作業がこの日の作業が全て完了した。
先生から「抜いた歯は持って帰りますか？」と聞かれたので、せっかくなので持って帰ることにした。抜いた歯を見せてもらうと、小さい頃に抜けた歯と違って根本まで付いた歯だった。根本部分は表に出ていた部分の2倍くらいあった。その後、受付で治療代を支払い、抗生剤と痛み止めを貰って歯医者を出た。
帰りの電車に揺られながら、麻酔がまだ抜けていないままガーゼを歯に挟み続けている自分がなんだか鬼滅の刃の禰豆子みたいだなあと思いながら帰宅の途につく。
家に着いて、マスクを外してガーゼを取ってみると本当に歯が抜けていた。歯があった場所に舌を当ててみると、今まであったものが完全に無くなっていてとても変な感触だった。だけど、普通に話す分には歯が抜けている箇所が見えないのは幸運だったな。
来週からいよいよ歯列矯正が始まる。歯列矯正しよう！と動いてここまで来るのに何回歯医者に通ったかわからないくらいとても長かった。この辺の過程はまた今度別の日に書きたい。
それよりも今は、持ち帰った歯をどう扱えばよいか悩んでいる。何か良い使い道を知っている方がいたら教えてください。
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